書家(書道家) 祥洲の墨の世界 _ 自選

祥 洲 / 自 選 作 品 1990年以降

はじめに

 6歳から正式に書を学び、立命館大学在学中の19歳で自塾を開設。日本書壇の公募展などで活動していましたが30歳を前に書壇を離れ、独自の道を歩み始めました。その後ずっと新たな書表現を求め様々なアプローチを続けています。それは表現形式や書理論のみならず筆墨硯紙への研究も含んでいます。例えば支持体。一般的な画仙紙や和紙のみならず布類やステンレス板、そしてギターのボディまで多種に及びます。 また自作品の表現ベースには伝統的な墨作りを学び、その知識を基に開発した「祥洲自家製墨」があります。作品ごとにススの調合や練り方を変えて仕上げる「祥洲自家製墨」は、乾燥までの温度管理により陶芸の窯変の如く変化するのです。
 ここではこれまでの発表作品の中から幾つかを自選いたしました。今から20年以上前の1992年・・・まだ30代初めの若かりし頃の作品からスタートします。近作にいたってもまだまだ未熟な作品ばかりですが、どうぞ祥洲の墨の世界をご覧ください。

CM・ロゴ書/墨ワークスギターなどは「活動紹介」コーナーをご覧下さい。





sign.jpg

祥洲祥洲裸 -祈り- 1992  祥洲自家製墨 第一作目祥洲祥洲裸 -ecstasy- 1992 顔料使用祥洲祥洲個展-裸の断片-会場風景1992 Maronie(京都)祥洲祥洲相反変貌 1994祥洲祥洲個展「SHO⇔ART」 1994 (京都)
祥洲祥洲Yama -山- 1993  京都国際ホテル企画展祥洲祥洲□ -四角- 1995  ヒルゲート企画展(京都)祥洲祥洲解体された新しい書のカタチ-脱- 1998 Maronie企画展祥洲祥洲個展-解体された新しい書のカタチ-会場風景1998 Maronie(京都)祥洲祥洲炎 2000      朝日新聞全面掲載作品

ページの先頭へ

祥洲祥洲痕跡と変容 2001 黒龍江省美術館収蔵作祥洲祥洲天如水 2001   黒龍江省美術館収蔵作祥洲祥洲ten 2002    三越美術画廊企画展(東京)祥洲祥洲sunshine of your love 2003 理想科学財団企画展(京都/東京)祥洲祥洲花(ドイツ展) 2003リーン・ロゼ企画展
祥洲祥洲花鳥風月 2003  むつろ辻が花企画/国内各地祥洲祥洲Over the rainbow 2003 むつろ辻が花企画祥洲祥洲書-新宋体による- 2004 HYATT REGENCY企画(大阪)祥洲祥洲For iPod Case 2005祥洲祥洲量シリーズ 2006 奈良市美術館企画展(奈良)

ページの先頭へ

祥洲祥洲ichi 2007    MMFA企画展(東京)祥洲祥洲守破離 2007   MMFA企画展(東京)祥洲祥洲墨魂 2008 5カ国共催「祥洲/先鋒墨美展」企画個展(中国)祥洲祥洲飛3連作「鳳舞太空」 2008発表/写真は「現代水墨代表作家展」(国立新美2011)祥洲祥洲先鋒墨美/上海展 2008上海JINART企画展/カッシーナ協賛
祥洲祥洲音楽シリーズ 2008MMFA企画展(東京)祥洲祥洲Inspired by the sound of Eric Clapton (Cream) 2008祥洲祥洲Inspired by the sound of Bill Evans 2008祥洲祥洲Inspired by the sound ofJimi Hendrix 2008祥洲祥洲Inspired by the sound of King Crimson 2008

ページの先頭へ

祥洲祥洲日常の臨書の断片 2009MMFA(東京)祥洲祥洲作品集「祥洲/日常の臨書の断片」より祥洲祥洲作品集「祥洲/日常の臨書の断片」より祥洲祥洲作品集「祥洲/日常の臨書の断片」より祥洲祥洲作品集「祥洲/日常の臨書の断片」より
祥洲祥洲臨送裴将軍詩 2009顔眞卿国際書法展日本代表作家(西安)祥洲祥洲Crossroads 2010MMFA企画展(東京)祥洲祥洲Crossroads -ステンレス板- 2010  国立新美術館祥洲祥洲墨身 2011    MMFA企画展(東京)祥洲祥洲書-草書体による極小作品- 2012 MMFA企画展(東京)
祥洲祥洲龍飛鳳舞 2012 京都表具協会企画展(京都)祥洲祥洲Inspired by the sound of Eric Clapton 2013祥洲祥洲its 2013 ITS世界会議-日本ブース(東京ビッグサイト)祥洲祥洲嬉 -今でも忘れない- 2014 NHKハート展(全国巡回)祥洲祥洲2015以降は↓下段へ

ページの先頭へ

書家 祥洲書家 祥洲書家 祥洲書家 祥洲

「五彩 -墨に五彩あり-」
(2015)

制作ノート
五彩は五色のことではなく、様々な色材以上に多彩な色が表現できるの意。例えば白黒映画。白から黒までの無彩色でありながら、見る側の記憶や想像力によって色彩を感じることが出来ます。「墨に五彩あり」と言われるのはこのようなことではないかと思っています。日中書道史上の名品「張猛龍碑」「王羲之十七帖」「宮島詠士」を学び続ける中で得た書法を基に書き上げました。
木製パネルに下地材+数種の墨+アクリル絵具(銀色)にて地塗りを積層、文字部分は自らが煤から調合し練り上げた祥洲自家製墨を使用。筆はシュロを束ねた特製。制作期間約1ヶ月、F6。

HP_Loch.jpgHP_Loch.jpgATCレーベル」創設者&社長Siegfried氏と私ATCレーベル」創設者&社長Siegfried氏と私

「ACTレーベル」創設者&社長、そして美術コレクターとしても知られるSiegfried氏が所蔵

2015年10月、ドイツを拠点とする世界有数の音楽会社「ACTレーベル」創設者&社長、そして美術コレクターとしても知られる Siegfried氏 が来日し、京都教室に来訪されました。その折「五彩」をご所蔵いただくことになりました。現在はドイツにあるオフィスに飾ってくださっているとのこと。良きご縁に感謝です。

ページの先頭へ

尚古碑01.jpg尚古碑01.jpg尚古碑02.jpg尚古碑02.jpg

「 尚古碑 -であいにかんしゃ- 」デジタル作品
(2016)

実存する古い拓本のようにも見えるデジタル最新作「尚古碑 -であいにかんしゃ-」。それはこんな妄想から始まりました。

昔々そのまた昔、「であいにかんしゃ」と書いた書家がいました。その書は石に刻まれ「尚古碑」と名付けられ、京都の羅城門近くに置かれました。それからずっと人々に愛されたのですが、だんだんと石面は傷つき、とうとう壊れてしまいました。そして長い歳月が流れ__2016年、とある展覧会で幻の「尚古碑」拓本が特別展示され、多くの人々が見に集まった、とさ。

石面の朽ちた様子や黄色く変色した拓本の紙など、コツコツと再現したデジタルならではの作品です。

墨翔forHP.jpg墨翔forHP.jpg墨翔Up2forHP.jpg墨翔Up2forHP.jpg

「 墨 翔 」本銀焼箔丸表装 ( 軸先 : 銀鉄砂清水焼陶器 )
(2016)

書 : 祥洲 、表具 : 前田倫明

「墨翔」…祥洲率いる「墨集団翔Sho」の母体でもある「墨翔会」の会名。祥洲により1977年に創設、本年で39年目。
作品を取り囲むのは焼き銀箔。本銀箔に硫黄粉を使って変色させます。加熱する温度によって本銀箔が中金箔、赤貝箔、玉虫箔、そして黒箔と変化するのです。軸先は京都の清水焼。

東京展 2016.3.5〜13 マキイマサルファインアーツ(東京浅草橋)
京都展 2016.3.22〜27 ギャリエヤマシタ(寺町三条)にて発表。

祥洲 宮島詠士祥洲 宮島詠士
「宮島詠士へのオマージュ -澄-」
(2015)

私が20代の終わり頃、「宮島詠士」の作品に衝撃を受けました。書線の周りが白く輝き、文字全体を包み込むようなニジミが広がっている。こんな表現があるのか、と私が持っていた書の概念が音を立てて崩れていきました。それ以来、宮島詠士の表現世界を目指して書法や素材研究を続け、30年ほどの歳月が過ぎました。そして今回、初めて宮島詠士へのオマージュ作品として「澄」を発表。まだまだ、まだまだ、お恥ずかしいレベルではありますが、是非見てやって下さい。

宮島詠士・・・慶応3年(1867年)~ 昭和18年(1943年)歿。77才。山形県出身。
11歳で勝海舟の門に入る。明治20年(1887年/20歳)で中国へ。清末の学者・書家として著名な張廉卿(ちょうれんけい)に直接師事。「張猛龍碑」「九成宮醴泉銘」などをベースに、ニジミを大胆に取り入れた作品群は日本書道史の中でも異彩を放つ。

ページの先頭へ

書家祥洲書家祥洲

墨の黒だけの世界「墨黒陰」

Inspired by the sound of Pink Floyd (2016)

着想から試作、新たな自家製墨の開発に約2年の歳月をかけて辿り着いた新たな祥洲の墨の世界。
本制作に入ったのは2015年9月。断続的とはいえ1年をかけて同一画面に重ね書きを続け、2016年9月に制作終了。
図版は「ピンク・フロイド/狂気-The Dark Side Of The Moon-」の音楽をモチーフに制作した作品です。2016とmid2016の2点を発表。

モチーフ曲はこちら/Pink Floyd(全編は長いので少しだけ)

書家祥洲書家祥洲書家祥洲書家祥洲

墨の黒だけの世界「墨黒陰」

Inspired by the sound of Michael Wollny Feat. Eric Schaefer & Tim Lefebvre
(2016)

左の作品と同時制作。
図版は「Michael Wollny Feat. Eric Schaefer & Tim Lefebvre」の音楽をモチーフに制作した作品です。works01と02の2点を「音楽に触発されて」展にて発表。

モチーフ曲はこちら/Michael Wollny(美しく深遠な世界です)

Michael WollnyMichael WollnyMichael WollnyMichael Wollny

マイケル・ウォルニー氏と拙作

2016年12月15日

とても素晴らしい事がありました。
左欄にて紹介の「Inspired by the sound of Michael Wollny Trio」が、作品モチーフとなったマイケル・ウォルニー(Michael Wollny)氏ご本人の所蔵となりました。小学校図画工作の教科書に収録となった同シリーズ作「Eric Clapton」の時と同じく、この上もない幸福な出来事です。
現在、私の作品はドイツにある彼のアトリエのグランドピアノのそばに飾ってあるそうです。これからは彼の奏でるピアノ演奏と共に暮らしていくと思うと、自分の作品がうらやましいです。

Michael Wollny氏「Weltentraum」から「Little Person」。私の大好きな曲です。是非お聴き下さい。LinkIconMichael Wollny / Little Person

DSC08853.jpgDSC08853.jpg

赤のシリーズ

2015年「五彩」制作時から試作を繰り返してきた「赤のシリーズ」。約1ヶ月かけて制作する、自家製墨の黒とアクリル絵具(赤)のベース。その表面を独自の工具で加工した上で書する。自分でまとめあげた馬毛の穂首だけの筆が、表面のでこぼこをしっかりとらえてくれる。
第一作目「独」を2016年12月、東京MMFA「ArtistRun」にて発表。
その後、アクリル絵具の定着に工夫を加え、2017年にかけて「祈り」「花」などを連続発表。

独ベース.jpg独ベース.jpgDSC08858.jpgDSC08858.jpg

継02_ベースデータ.jpg継02_ベースデータ.jpg

銀のシリーズ


左の作品と同様の手法を用い、「銀のシリーズ」として2016〜2017年に発表。
「ニジミ」を取り入れたり、墨を盛り上げたりする表現を加味。

DSC04877.jpgDSC04877.jpg

2018最新シリーズ
近日公開予定

ページの先頭へ

祥洲映像作品「伝統・継承・創造」

個展「祥洲の墨の世界2013 -龍飛鳳舞-」発表作品

祥洲使用筆も展示 

「伝統」「継承」「創造」という3つの言葉をつなぐメッセージです。
書はもちろん、撮影・編集・作曲・演奏など全て祥洲自身の手になる映像作品。

「伝統を継承することなく創造はありません。
 そして創造することなく伝統の継承はありません。」祥洲


ページの先頭へ

祥洲の代表的なシリーズ作品
「Inspired by the sound of」シリーズ
CDジャケットシリーズ「月」「花」「風」など
「解体された新しい書のカタチ」回、脱、炎、光、泪 など
「裸」シリーズ(「裸の断片」など)
「山」(「Yama-山-」、西陣織とのコラボなど)
「花鳥風月」(辻が花とのコラボなど)
「量」(積層する表現シリーズ)
「相反変貌」(SHO⇔ARTなど)
「墨魂」シリーズ
「墨身」シリーズ
祥洲墨ワークスギター
ステンレスパネル作品シリーズ
デジタル作品
痕跡と変容(墨の抽象と写真の組み合わせ)
in Blue(写真作品)
光溢シリーズ(写真作品)

あとがき
今回、自選コーナーの作品選考を始めてすぐに、これは大変なことを
しようとしていることに気がついた。20年以上、個展活動を続けて
いると発表作品は膨大な数となる。新作を年間で300点以上発表して
いるもあったし、最低でも20点は発表している。そのどれもが思い
入れの深作品ばかり。一刀両断にばっさり切り捨てられない。また、
全てがデータとして残っているわけではなく、既にデータ化されてい
る作品からざっとピックアップした段階で100点を超えてしまった。
的に選び出せる誰かに任せればよかったと思いつつ、選別の日々
過ごした。そしてその作業を通じて自分の歩みを振り返り、改めて
じたことがある。
書の道はとてつもなく深くて長い。一体どれだけ学べばいいかわか
らないが、命有る限り歩み続けたい。大好きな書の道を。

本サイトの内の全てのコンテンツの著作権は
祥洲が所有しております。
引用・転載などを禁じます。
Please do not use any images on your site.
Copyright(C) Shoshu. All rights reserved.